2019/01/23

何もしない休むための教育者向け瞑想会1月レポート



1月、日曜日のお昼過ぎから夕方まで、東京スカイツリーのすぐ近くで、
教育者向けプラムビレッジスタイルの瞑想会がありました。
参加者は12人。

学校で子供に教える先生、何かを教える講師や援助職など、先生の皆さんが集まりました。
親であり、先生である立場など、様々な視点で子供や若者と関わる人たちばかりです。







まず初めに、歌う瞑想から始まりました。
ティク・ナット・ハン師の伝える瞑想に使う言葉を集めた、歌詞から作られている歌です。
歌〜♪  息は入り、息は出て行く~
歌〜♪  ありがとう、ありがとう、あなたがいて、とってもハッピ~

フランスで行われた年末年始の教育者向けリトリートに行ってきた人が、
「ブラザーが言っていました。皆さんは何もしないためにここに来ました。」
先生がまずリラックスして、自分がここにいて安らいでいることが、子供たちへ教えるためには大事だと言うことを伝えてくれました。

歌〜♪   何にもしない、急がなくて良い~





そして歌の次は、トータル・リラクゼーション。
横になって体をリラックスさせて、自分の体を観察するガイド瞑想です。
心身ともに、ただ身を委ねるだけで安心を感じる時間です。
たっぷりと時間をかけてリラックスして、ゆっくりと起き上がります。


いつも次々と走り回り、次々とやらなければいけないことがある先生たち。
まずはリラックスして、今ここにいる安らぎに浸る。
そのことが大事だと実感します。
子供や若者たちへ安心を伝えるためには、まずは自分が安らかな心でいる体験をします。

お茶の休憩をゆっくりしながら、次の瞑想へと移って行きます。

椅子に座ったまま、ガイド瞑想。
呼吸の瞑想、一つ一つ誘導に従って、ゆっくり静かに瞑想を体験します。
体がリラックスした後なので、さらに呼吸もゆったりと深くなっていきます。
足を組んだ座禅の瞑想ではなく、椅子に座ったまま誰でも簡単にできる瞑想です。
これは、日常生活のどんな場所でも、ほんの5分でも活用することができます。





次のセッションはオレンジ色のみかんが出てきました。
みかんの瞑想です。
フランスで教育者向けのリトリートに参加したもう1人の人がリードしてくれました。

食べる前に目で、手で触れて、鼻で香りを、みかんを丸ごとじっくり見ます。
次に皮をむいていくんですが、これも一瞬一瞬を観察して丁寧に進んでいきます。
まだまだ食べません。
その時間が、心身リラックスした私たちにとって、とても豊かに広がっていきます。

そして、やっと一房、口入れますが、さてどんなことが起きるでしょうか?
そんなふうにして一つ一つ一瞬一瞬を全身で感じながら1つのみかんを食べます。

これはぜひ、リラックスした心と体で体験してみると、発見があります。
みんなで感想をシェアしました。






私も何回もこの瞑想をしていますが、この日はまた全然違う発見がありました。

口の中の舌の動きが、こんなに自分の意思とは関係なく自由自在に動いていることを知って驚きました。
みかんがある方に舌が勝手に寄り添っています。
みかんを噛むと舌の先が上顎にくっついて、食べ物をかき回すような動きを勝手にします。
食べ物が口に入っていない時に噛み続けても、舌は全く動こうとはしません。
それでは、舌を動かさないでいようとしたらどうなるか?
ずっと同じ場所を噛み続けます。
舌が動かないと食べ物も動きません。
自分の意思とは関係なく、舌は動いていたのです。
心臓が脈打つのを止められないように、舌の動きも食べ物を食べると同時に勝手に動いてくれます。
これは誰が動かしているのでしょう?
私たちは、生まれた時、赤ん坊の頃から、きっと舌は勝手に動いていたのだと思います。
自分で動かそうと思わなくても、口の中に食べ物が入れば舌は体のために働いてくれていたのです。
とても不思議でした。




次は、ダルマ・シェアリングの時間。
この時間は、思いやりを持って人の話を聞く、頭ではなく心から感じたことを話す時間です。
この場で聞いた話は、この場所に置いて行きます。別の場所で話す事はありません。
誰かの話を批判もアドバイスもなく、ただ聞く。
本当に心から耳を傾けて聞いてもらえる時間です。

フランスのリトリートでの体験報告。
どんな思いで、この場所に集まってきたか。
それぞれの環境や組織の中での立場、社会への取り組み方、人との関わり方。

誰もが一生懸命、今ここでできることを模索している話が続きます。

先生と言う立場は、子供や若者に向き合うだけではありません。
その子供や若者たちの環境や人間関係にも思いを馳せる立場です。
周りの職員や保護者への関わりも多くあります。

子供や若い人たちに、安心して活き活きとした生き方を身に付けていって欲しい。
そのための学びをサポートする立場の先生たち。
先生の人としての在り方が、目の前の子供たちに与える影響の大きさ。
心からのサポートをしたいと思っている先生たち。

本当に役立ちたい情熱の前に、まずは、疲れた日常から立ち止まること。
何もしないをする、安らぐこと。
そんな時間から見えてくることがあるかもしれません。

皆さん、終わった後は心からの笑顔で、スッキリして帰って行きました。




Happy teachers change the world.


教育者コミュニティ瞑想会。
キックオフの日でした。

2019年、今年は1ヵ月に1回、教育者向け瞑想会が開催される予定です。

次回は、2/10(日)東京・浜町にて  ◯詳細はこちらから

子供や若い人たちをサポートする、教育に関心がある方であれば参加できます。




*プラムビレッジ の瞑想実践は、日常に取り入れやすいマインドフルネス瞑想です。



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教育者のためのリトリート・フランス・プラムビレッジレポート