2019/09/30

今ここの幸せがあれば過去を変えてくれる/アーナパーナサティ・スッタ




シスター・アナベル、法話③(②より続く)


4種類の食べ物があります。四食(しじき)*

◯意識の食べ物、識食(しきじき)
Store=蔵*、意識のある場所。

日常生活では感情が現れてきます。
内側に入ってくるものを、しっかりと選んでいく必要があります。
ちゃんとケアしていかないと、痛みが病いへと発展していきます。
暴力的な映画を見たり、影響されないと言ったとしても、
映画を忘れても、暴力の食べ物と同じです。
すべて蔵の中に蓄積されていきます。
だから、未来にあるために意識していかなければなりません。

タイは言いました。
過去に幸せなこと無かったら、今ここの幸せがあれば過去を変えてくれます。
それが「アーナパーナ・サティ・スッタ」です

ある時、タイの弟子が出てこなかった、冬に備えて篭ってます。
冬が来てその寒さに対策しても遅い。
だから夏の暑い内に準備して、木を燃やして暖をとる、それと同じことです。

香港にマグノリアの花が咲いているけれど、
私が意識しなければ、マグノリアの花は、ここにはありません。

よく見える目を持っている。
質疑応答で聞きました。
私は目を持っています。でも幸せを感じられない。
目を持っていて幸せだ。でも本当の幸せを感じられない。
だから目を使う必要がある。
まだ本当に目を使っていません。
形、色、意識が必要です。
意識が働いて使えることが、幸せなのです。

私の先生・タイが伝えてくれたプラクティスの一部であることが、幸せです。
いま、ここ、幸せです。
静かになっていく道はありません。
今ここが静かだから。
何かをやっていくから静まるのではありません。
この一瞬一瞬が静かなんですね。

まったく同じ思考の人はいません。
クリスチャンでもリトリートを味わうことができます。
それが道です。どんな宗教でも。

マインドフルネスは道です。
どんな宗教の人でも入ってきて出来ます。
多くのものがありますが、
日常生活に、マインドフルに歯を磨くというものはありません。
これがあれば他は必要ありません。
線香も仏像も必要ありません。
仏教色も必要ありません。
だから世界中で行われています。

プラクティスをしながら、働く場の中でマインドフルに歩く。
コンピュータを使う人には、ストップ止まるプラクティスです。
ストップして呼吸に帰る。タイマーを使って、数分間、呼吸に帰る。

トータル・リラクゼーションの時間を持てたら。
歩く瞑想を持てたら。
リラックス!リラックス!と言い聞かせる代わりに。(会場、笑)

私はリラックスしていないなと気づいたら、自然とリラックスできます。
すると、トータルリラクゼーションすることができます。

怒りを呼吸で変えていくことができます。
痛みを感じる、歯の痛みがないと嬉しい。
でも痛みがなくなれば忘れてしまう。

(歌を歌うシスター)
この歌の一節
生きてると不満が出るけど、喜びへ変えていける。









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法話2018,12,27 タイ・コアサンガ・リトリート


シスター・アナベル 法話 ①
本当の家に帰り魂のバッテリーを充電する/シスター・アナベル

シスター・アナベル 法話 ②

生まれて初めて呼吸した時のように楽しむ/アーナパーナサティスッタ

シスター・アナベル 法話 ③

今ここの幸せがあれば過去を変えてくれる/アーナパーナサティ・スッタ






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【用語解説】

◯四食(しじき)

Store=蔵(蔵識)

法話ことば集を参照





生まれて初めて呼吸した時のように楽しむ/アーナパーナ・サティ・スッタ





シスター・アナベル、法話②(①より続く)


ブッダの時代、ブッダにある僧侶が言いました。
歳をとって集中力がなく、前にできたようにできません。
ブッダが言った「じゃーなす(訳者まま)」のプラクティスをしなくて良い。
マインドフルのプラクティスをします。
そうすると洞察が来ます。
マインドフルネスのプラクティスは、洞察の種ができるようにするものです。

座る瞑想では、大きな努力は必要ありません。
ハードワークは必要ありません。

(このリトリートは瞑想ホールと食事する場所が同じでした)

瞑想ホールへ来た時に、
食べる瞑想の時には、楽しむ食べ物がある。
座る瞑想の時には呼吸を味わって、
サンガのエネルギーが栄養になるように味わって、体に帰ってきます。

瞑想は、心と体が1つになることです。
どちらも欠けることがありません。
この一枚の紙を分けることができません。
これが心と体の関係です。(紙を両手ではさむ)
瞑想とはこの一枚の紙のように心と体がひとつになることです。

赤ちゃんが生まれたら呼吸をします。
へその緒を切ります。
その時に肺に溜まっていたものが出て、呼吸が始まります。

だから、息をする時に心地よいはずです。
呼吸は楽しめるはずのものです。
初めて息が入って呼吸した時に、楽しかったように。

それが書かれているのが「アーナパーナ・サティ・スッタ」です。


もし平和というガイドがあったとしたら。
戦争、頭で考えると嫌な気持ちが出て来ます。
そのように頭を使わないで感じます。体で感じること。

私が疲れていた時、目を閉じて語りかけたんです。
親愛なるサンガにお願いしたんです。
私はあなたのために瞑想しています、という言葉が出てきました。
だから、あなたの近くにサンガが必要ですよ。


「アーナパーナ・サティ・スッタ、安般念経(あんぱんねんきょう)」


呼吸を意識できるようになると、姿勢を意識できるようになります。
体について思う時、それは体の中の1つの細胞。
細胞の中に何かが入って出て行く。
太陽の光が入って出て行く。
すべてが形が変わって生きます。
あなたの体は、そのようなもので出来ています。
だから、あなたの体は、あなた以外のもので出来ています。

呼吸をするとクオリティが上がります。
すると、その入る、出るという言葉が働き出して、深くゆっくりと変わっていきます。
それは、太陽の光が変わるのと同じです。
あなたの体が変えていこうとするのでなく、変わっていきます。


ある人が「娘がいます。10代になり変わってしまった。
もう愛せないです。どうしたらいいでしょうか?」と相談してきました。
もう10代よりも前の彼女はいません。
ありのままの彼女を、100%受け入れることが大切です。
「少し努力をする必要があるんですよ。」と言いました。
他に良い答えがありますか?


もちろん、良くなりたいんですが、
例えば、体の具合が悪い時、受け入れ難いです。
良い医者を探すことしかできません。
受け入れること以外をしてしまいます。
痛みを持つ体があれば、それを受け入れてリラックスしていくことができます。
もしそれができれば、痛みは消えていくかもしれません。
リラックスして、体を休めてみることです。


呼吸をして、体が落ち着く。
ベトナム語で「___
呼吸を味わう、それを私は吐き出す。
安らぎ、微笑み、素晴らしさ。
そう言った言葉を使っていきます。
ある意味で、言葉は容れ物のようなものです。
意味の器です。器があることでフォーカスすることができます。

私たちは、空っぽの言葉を持つこともできます。
微笑む時に使う筋肉は、脳につながっています。
だから、私たちが微笑むことで、良いメッセージを受け取ることができます。
だから、微笑むことをしてみるのも良いことですね。

シスター・チャンコンが言ってます。
「もっと笑って、30分おきに。」(会場、笑)

今、この瞬間、
誰かの目を気にせず、過去に気にとられることなく。
今を感じること。
今、この瞬間にいる、感じていることは、思考を超えていきます。


死に行く人に伝えたいと言ってきました。
でも、この瞬間に笑うことは難しいかと思います。
今、この瞬間を味わうことを勧めました。

「死に行く時に笑うことができますか?」と聞いてみました。
とても勇気がいることですね。
私の父も、死に行く時に素晴らしい時を持つことができました。

「どうか私の死に行く時の笑った写真を撮ってくださいね。」と送りました。
これは難しいかもしれない。


今を楽しむという瞑想です。
素晴らしいのは、いつでもどこでもできるということです。


ベトナム、13世紀の王、チャン国王がいました。
出家したかったんですが、先生は認めませんでした。
「国民があなたを必要としている、だから国王として勤めなさい」と。

王は山の中へ入ってしまったが「帰りたくない。」と言われた。
でも1日に6回、自分自身の Beginning a New(和解のための新しい始まり)*を発明しました。
王は、また仕事に戻りました。
出家をしないけれど、仏教の瞑想をしました。
国王でさえできる、だから私たちもできます。

念、定、慧(ねんじょうえ)
気づいて、呼吸して、洞察する。

この忙しい中で、どうやって瞑想したら良いでしょうか?

病院で働く人は、患者を玄関まで送る時に、歩く瞑想をしました。

本当に苦しみがやってくる。
まず自分自身を大事にできる必要があります。
その次に患者さんへ向き合う。






シスター・アナベル 法話③へ続く






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法話2018,12,27 タイ・コアサンガ・リトリート

シスター・アナベル 法話 ①

本当の家に帰り魂のバッテリーを充電する/シスター・アナベル

シスター・アナベル 法話 ②

生まれて初めて呼吸した時のように楽しむ/アーナパーナサティ・スッタ

シスター・アナベル 法話 ③

今ここの幸せがあれば過去を変えてくれる/アーナパーナサティ・スッタ





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【用語解説】

◯Beginning a New ビギニング・アニュー(和解のための新しい始まり)
法話ことば集を参照








2019/09/29

本当の家に帰り魂のバッテリーを充電する/シスター・アナベル





シスター・アナベル、法話①

この体を感じましょう。
この体は色んな年齢を経て、
血のつながり先祖、精神的なつながりの先祖に繋がってます。
だから疎かにできません。

全世界が、この体の中に存在しています。
だから、この体を精魂込めてお世話しなければならない。
花を世話するように手入れをしていかなければなりません。
究極の次元です。


ここに来て歌を歌いました。
I have a arrived.  I am home.
歌の通りに、ここが我が家です。
どこにいても、ここが故郷です。

この歌のプラクティスの通り、
ここはタイですが、マレーシアであっても。
マグノリア樫の木、いろいろな木があります。
一歩一歩、本当の我が家へ。
どこに行こうとも我が家を自分たちの所へ持ってきます。
携帯電話よりも有益です。


今ここに時計の音(柱時計のチャイム)で帰ってきます。
どこにいく必要もない、何もする必要がありません。
家に久しぶりに帰ったら、Home sweet home.(愛しい我が家)
本当にリラックスして帰ってきたな、と思います。

でも数日も経てば、当たり前になります。
もっと他のものがないかと、未来のどこかにないか、外を探すようになります。
極楽天国は、どこか他の所にあると。ブッダもキリスト教も。
それが未来への希望。

でも本当の奇跡は、ここにあって、色々なものに取り囲まれて見えなくなっています。
目が見えて耳が聞こえて、それが浄土です。


タイにインタビューした人がいました。
ジャーナリストは、家に帰って休むと言いました。
タイは、本当には伝わらなかったと言いました。

私たちは、苦しみを抱えていますが、地球の上で生きています。
同じように、自然な地球も、物質ではなくて生きた体です。

今ここに生きていて、生きた地球に一歩一歩触れて、癒すことができます。
地球は、開拓して消費していくだけの物資ではありません。
だから、消費していくこと、搾取することを控えねばなりません。


毎朝、瞑想しますね。
何もしないことの大切なプラクティスです。
とても良いことですね。

Lazy day(何もしない日)
寝坊して、法話にいく必要のない日です。(会場、笑)
では、どうやって Lazy day、何もしない日で居られるか?

リトリートでは、電子機器を使わないで、
僧侶たちが世話してくれます。

今、電子機器を置いていても、
もし自宅に帰ってから、あなたたちはどうしますか?
それが大事です。

ここに、自分自身のバッテリーをチャージするために来ています。
充電する必要があります。
本当の家に帰って、魂のバッテリーを充電します。 

そうすれば、電子機器の使い方が変わっているはずです。
リトリートの前と、働き方も変わっているはずです。

これがあなたが参加できるリトリートが最後だと想像してみてください。

歩く。
食べる。
家に帰って、ベルを聴く。

そのようにベルの音を聞けば、自然に呼吸に帰れるはずです。


(鐘の音を招く、呼吸)



シスター・アナベル 法話②へ続く





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法話2018,12,27 タイ・コアサンガ・リトリート


シスター・アナベル 法話 ①
本当の家に帰り魂のバッテリーを充電する/シスター・アナベル

シスター・アナベル 法話 ②

生まれて初めて呼吸した時のように楽しむ/アーナパーナサティ・スッタ

シスター・アナベル 法話 ③

今ここの幸せがあれば過去を変えてくれる/アーナパーナサティ・スッタ






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*シスター・アナベル
イギリス人。タイの最初の西洋人の弟子。
タイが初めて自分の弟子を出家させた時、3人のうちの一人。シスター・チャンコンを含む。















2019/09/13

聖なる沈黙 Noble Silence・オリエンテーション③・2018タイ





ノーブル・サイレンス(聖なる沈黙)Noble Silence


◯ブラザー・ポテト

ノーブル・サイレンス(聖なる沈黙)は、
夜の最後の活動から始まります。
朝の食器を洗う時まで続きます。

話さないだけではなく、心を鎮める時間です。

日頃の私たちは心が色々な情報で動き続けています。

宿舎に戻る時から、心を静めてください。
大地へ返していくように歩いて静めます。

寝床でもトータルリラクゼーションで、ぐっすり眠ることができます。
マインドをクールダウンさせる。
自分自身を落ち着かせる時間です。

それは日常にも、自分を落ち着かせる時に役立ちます。

政治について、あの人がこの人がと話す時、自分自身に戻ることが必要です。
私たちは自分自身に戻る時間が必要です。

だから、ここでは無理に話す必要はありません。

自然や花や鳥の声を聞いて、穏やかになれます。
大勢でプラクティスをすることで、みんなの助けを得てマインドフルネスの畑を耕すことができます。
私たちは、お互いに支え合ってます。

皆さんがハッピーであればと思っています。







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法話  午前、2018,12,26 タイ・コアサンガ・リトリート


「オリエンテーション」Br.ポテト、Sr.アオニェム