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2026/04/12

あなたへの提案【ティク・ナット・ハンの詩】





























あなたへの提案 Recommendation、 ティク・ナット・ハン(1965年)


私と約束してほしい
今日 いまここで
太陽が天頂にあり
あなたの頭上にさしかかるいま
約束してほしい

あの者たちが
渾身の憎しみと暴力で
あなたを打ち倒し
踏みつけ
虫けらのように踏みつぶしても
あなたの手足を引きちぎり
腹を引き裂いても
忘れるな 友よ
憶えておくのだ
本当の敵は人間ではない

慈悲の行いのみが あなたにふさわしい
揺るがず 限りなく 無条件の慈悲こそが
憎しみの眼には 人に巣食う獣の心が見抜けない

きっといつか あなたは見据える
ひとりきりで 自分の中の獣を
決然とした勇気と
慈しみと迷いのない眼で
(だれも知らないそのときに)
あなたの微笑みから
一輪の花がほころぶ
そのとき
あなたを愛するすべてのものが
生と死を超えた三千世界から
あなたを見守るだろう

ひとりになった私たちは
ふたたび 頭を垂れつつ歩を進める
滅びぬ愛を胸にたたえて
果てのないでこぼこ道をゆく
太陽と月が
行く手をきっと照らしてくれるだろう




【引用元】
ティク・ナット・ハン詩集
「私を本当の名前で呼んでください」島田啓介 訳、野草社
p.45p.49(解説あり)


*1965年はベトナム戦時下。ティク・ナット・ハンは非暴力の活動をしていた。


《関連記事》





2022/01/29

ティク・ナット・ハン師 メモリアルセレモニー

 



















《ティク・ナット・ハン師メモリアルセレモニー》

2年前にタイは年長ブラザーに「葬儀の準備をするように」と伝えていました。
私のためにストゥーパ(仏塔)を建てないように、と法話で語っていました。
やがて来る日のために、できる限りの準備を整えて、旅立って行かれました。
第一報からすぐに7日間のメモリアルセレモニーが始まりました。

私は花の微笑みの中にいます。
私はあなたたちのプラムティスの中にいます。
あなたがシスターブラザーや瞑想友達を見る時、私はそこにいます。







“ a cloud never died “

決して雲は死なない  ティク・ナット・ハン




《荼毘の立ち合いの儀》

8日目 火葬の儀式  ベトナム・慈孝寺 よりライブ配信
2022年1月29日(土)日本時間 8:00~ 
8日目・配信動画 https://youtu.be/IHYCibNJV2E

日本語同時通訳:リンク先にzoomリンクあり)
https://www.tnhjapan.org/thich-nhat-hanhs-memorial

この厳かなセレモニーでは、ベトナム・フエの慈孝寺での最後の儀式、そして、タイ(ティク・ナット・ハン師)の棺の火葬の地への歩みとそこでの儀式に立ち会うことができます。
(ティク・ナット・ハンの教えサイトより引用)


タイムスケジュール(日本時間)
8時…最終儀式、出棺
12時…棺が火葬場に到着
13時…儀式と詠唱、荼毘の儀

ーーーーー

旅立ちセレモニーに寄せて・瞑想案内人(1/28記)

1/22・ご逝去から続いているメモリアルセレモニーの流れの中で、ティク・ナット・ハン師が、従来の宗教のカリスマ的支配ではない様子がわかります。
彼が伝えてきた「一枚の紙に雲を見る」普遍的な見識を、このかけがえのない見送りの時に、別れの哀しみを超えて「受け取ろう」「見出そう」「心身に刻み込もう」「浴びよう」とするプラムビレッジに関わる人々の静かな瞑想や儀式、コミュニティの大きなうねり「自由への解放」を感じます。

Miracle is walking on Earth
この地上を歩くことが奇跡である

present moment wonderful moment
今 このとき 素晴らしい この時

チャンティング詠唱は古典的な文言もありますが、英語の歌の言葉は上記のような、ティク・ナット・ハン師の詩や文章を使用したものばかりです。それらは瞑想に応用できる言葉です。

私は一個人として、民俗学的な視点からもこの流れを拝見しています。
ある意味での分岐点。

プラムビレッジ式の儀式とベトナム禅宗の融合した空気。
文明が発達した世界で現代人が失いかけた死生観、紛争対立や政治的な宗教性を越える変容。
ティク・ナット・ハン師の仏教性を保ちつつ表現したものが、世界中の宗派の垣根を越えた支持と尊敬を集めること。
(中東対立の国の人々だけを対象としたリトリートもあった)

これもまた過ぎゆくこと。無常。

プラムビレッジのコミュニティを、ティク・ナット・ハンの亡き後、本質を保ちつつ真摯に受け継ぐ流れを、僭越ながら静観させていただこうと思います。

私たち日本人が、日本文化の中に宿る真善美を大切にできるようにと改めて感じます。

ティク・ナット・ハン師に、たくさんの温かく心優しい言葉を、本当にありがとうございます。
翻訳・通訳に関わる仲間にも感謝します。
共に瞑想する仲間にも感謝します。
私達を友達と呼ぶプラムビレッジのシスターブラザーにも、心からありがとう。
























あなたは桜の国、
日本に住むことができて
本当に幸運なのですよ。

それが
どれだけ恵まれていることなのか、
わかっていますか?

桜を楽しむ時間を
しっかりとつくってください。

自分のためだけでなく、
ずっと遠くにいる人たちや、
もう生きていない人たち、
あなたの愛するすべての人たちのために。

ティク・ナット・ハン

ーーーーー


日本語・メモリアルまとめ(配信日程リスト)外部リンク
https://www.tnhjapan.org/thich-nhat-hanhs-memorial

ティクナットハンの教え・日本サイト https://www.tnhjapan.org


英語・プラムビレッジ・メモリアルセレモニー、外部リンク
https://plumvillage.org/ja/memorial/
 (翻訳機能あり)
 

プラムビレッジ(フランス)YouTubeチャンネル、メイン配信
https://youtube.com/plumvillage






2019/05/30

ヒューズを抜いてくれ【ティク・ナット・ハンの詩】




「ヒューズを抜いてくれ」 ティク・ナット・ハン
 
もしぼくが爆弾なら
いましも爆発しようとするところ
もしぼくが いま君のいのちを
脅かすなら
ぼくの取り扱いに気をつけるべき
君はぼくから逃げられると考える
でも どうやって?
ぼくはここ 君のど真ん中にいる
(人生からぼくだけを取り除くのは不可能)
おまけにぼくは
いつ爆発するかわからない
必要なのは君の気づかい
必要なのは君の時間
ぼくは君にかかっている
君は約束したのだから(ぼくは聞いていた)
愛することと 気づかうことを
 
ぼくの世話をするときに
必要なのは大きな忍耐
変わらぬ平静さ
ぼくは知っている
誰の中にもヒューズを抜くべき爆弾がある
だから 互いに助け合うほかないだろう?
 
どうかぼくの言葉を聞いてほしい
だれも耳を貸してくれなかった
だれもわからなかった この苦しみを
ぼくを愛すると言った人たちさえも
この心の痛みが
ぼくを絞めつける
爆弾の成分はTNT火薬
ぼくの言葉を聞こうとする者は
ひとりもいなかった
だからこそ 君に聞いてほしい
でも君は 逃げたがっているのだろうか
自分の身を守るため 走り去ろうとしているが
それで得られる安全なんて
どこにもありはしない
 
ぼくが勝手に作った爆弾ではなく
それは君だ
社会だ
家族だ
学校だ
伝統だ
だから ぼくを責めないで
そばに来て 助けてほしい
でないと 爆発してしまう
これは援助要請なのだ
ぼくも君をきっと助ける
いつかその立場になったなら
 
 
ティク・ナット・ハン詩集
「私を本当の名前で呼んでください」より
島田啓介 訳、野草社
 
 
 
ーーーーー
 
約束して下さい。
今日、約束して下さい。
太陽が中天にある時。
 
たとえ、 彼らが山ほどの憎悪と暴力をもってあなたを打ち据えようと。
 
兄弟よ、覚えていてください、人間が敵ではないことを。
 
ティク・ナット・ハン (訳シスターチャイ・ツイッターより)
 
ーーーーー


ティク・ナット・ハン師の弟子たちによるプラムビレッジの活動には、刑務所でマインドフルネス瞑想実践のサポートがあります。



ティク・ナット・ハン師は、歩く瞑想で怒りや困難な問題と向き合っていました。

怒りを理解するには「怒り〜心の炎の静め方〜」(サンガ出版)翻訳本もあります。





写真は2016年元日バンコクのエラワン廟にて
(2015年に爆破事件があった寺院)