2019/09/30

生まれて初めて呼吸した時のように楽しむ/アーナパーナ・サティ・スッタ





シスター・アナベル、法話②(①より続く)


ブッダの時代、ブッダにある僧侶が言いました。
歳をとって集中力がなく、前にできたようにできません。
ブッダが言った「じゃーなす(訳者まま)」のプラクティスをしなくて良い。
マインドフルのプラクティスをします。
そうすると洞察が来ます。
マインドフルネスのプラクティスは、洞察の種ができるようにするものです。

座る瞑想では、大きな努力は必要ありません。
ハードワークは必要ありません。

(このリトリートは瞑想ホールと食事する場所が同じでした)

瞑想ホールへ来た時に、
食べる瞑想の時には、楽しむ食べ物がある。
座る瞑想の時には呼吸を味わって、
サンガのエネルギーが栄養になるように味わって、体に帰ってきます。

瞑想は、心と体が1つになることです。
どちらも欠けることがありません。
この一枚の紙を分けることができません。
これが心と体の関係です。(紙を両手ではさむ)
瞑想とはこの一枚の紙のように心と体がひとつになることです。

赤ちゃんが生まれたら呼吸をします。
へその緒を切ります。
その時に肺に溜まっていたものが出て、呼吸が始まります。

だから、息をする時に心地よいはずです。
呼吸は楽しめるはずのものです。
初めて息が入って呼吸した時に、楽しかったように。

それが書かれているのが「アーナパーナ・サティ・スッタ」です。


もし平和というガイドがあったとしたら。
戦争、頭で考えると嫌な気持ちが出て来ます。
そのように頭を使わないで感じます。体で感じること。

私が疲れていた時、目を閉じて語りかけたんです。
親愛なるサンガにお願いしたんです。
私はあなたのために瞑想しています、という言葉が出てきました。
だから、あなたの近くにサンガが必要ですよ。


「アーナパーナ・サティ・スッタ、安般念経(あんぱんねんきょう)」


呼吸を意識できるようになると、姿勢を意識できるようになります。
体について思う時、それは体の中の1つの細胞。
細胞の中に何かが入って出て行く。
太陽の光が入って出て行く。
すべてが形が変わって生きます。
あなたの体は、そのようなもので出来ています。
だから、あなたの体は、あなた以外のもので出来ています。

呼吸をするとクオリティが上がります。
すると、その入る、出るという言葉が働き出して、深くゆっくりと変わっていきます。
それは、太陽の光が変わるのと同じです。
あなたの体が変えていこうとするのでなく、変わっていきます。


ある人が「娘がいます。10代になり変わってしまった。
もう愛せないです。どうしたらいいでしょうか?」と相談してきました。
もう10代よりも前の彼女はいません。
ありのままの彼女を、100%受け入れることが大切です。
「少し努力をする必要があるんですよ。」と言いました。
他に良い答えがありますか?


もちろん、良くなりたいんですが、
例えば、体の具合が悪い時、受け入れ難いです。
良い医者を探すことしかできません。
受け入れること以外をしてしまいます。
痛みを持つ体があれば、それを受け入れてリラックスしていくことができます。
もしそれができれば、痛みは消えていくかもしれません。
リラックスして、体を休めてみることです。


呼吸をして、体が落ち着く。
ベトナム語で「___
呼吸を味わう、それを私は吐き出す。
安らぎ、微笑み、素晴らしさ。
そう言った言葉を使っていきます。
ある意味で、言葉は容れ物のようなものです。
意味の器です。器があることでフォーカスすることができます。

私たちは、空っぽの言葉を持つこともできます。
微笑む時に使う筋肉は、脳につながっています。
だから、私たちが微笑むことで、良いメッセージを受け取ることができます。
だから、微笑むことをしてみるのも良いことですね。

シスター・チャンコンが言ってます。
「もっと笑って、30分おきに。」(会場、笑)

今、この瞬間、
誰かの目を気にせず、過去に気にとられることなく。
今を感じること。
今、この瞬間にいる、感じていることは、思考を超えていきます。


死に行く人に伝えたいと言ってきました。
でも、この瞬間に笑うことは難しいかと思います。
今、この瞬間を味わうことを勧めました。

「死に行く時に笑うことができますか?」と聞いてみました。
とても勇気がいることですね。
私の父も、死に行く時に素晴らしい時を持つことができました。

「どうか私の死に行く時の笑った写真を撮ってくださいね。」と送りました。
これは難しいかもしれない。


今を楽しむという瞑想です。
素晴らしいのは、いつでもどこでもできるということです。


ベトナム、13世紀の王、チャン国王がいました。
出家したかったんですが、先生は認めませんでした。
「国民があなたを必要としている、だから国王として勤めなさい」と。

王は山の中へ入ってしまったが「帰りたくない。」と言われた。
でも1日に6回、自分自身の Beginning a New(和解のための新しい始まり)*を発明しました。
王は、また仕事に戻りました。
出家をしないけれど、仏教の瞑想をしました。
国王でさえできる、だから私たちもできます。

念、定、慧(ねんじょうえ)
気づいて、呼吸して、洞察する。

この忙しい中で、どうやって瞑想したら良いでしょうか?

病院で働く人は、患者を玄関まで送る時に、歩く瞑想をしました。

本当に苦しみがやってくる。
まず自分自身を大事にできる必要があります。
その次に患者さんへ向き合う。






シスター・アナベル 法話③へ続く






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法話2018,12,27 タイ・コアサンガ・リトリート

シスター・アナベル 法話 ①

本当の家に帰り魂のバッテリーを充電する/シスター・アナベル

シスター・アナベル 法話 ②

生まれて初めて呼吸した時のように楽しむ/アーナパーナサティ・スッタ

シスター・アナベル 法話 ③

今ここの幸せがあれば過去を変えてくれる/アーナパーナサティ・スッタ





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【用語解説】

◯Beginning a New ビギニング・アニュー(和解のための新しい始まり)
法話ことば集を参照